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英語の発音を良くする“4つ”の必須ポイント!【練習法も紹介】

英語の発音を良くする“4つ”の必須ポイント!【練習法も紹介】

英語の発音は、英語学習で日本人が「壁」に感じがちな部分です。「なかなか発音が良くならない」と悩んでいる人も多いかもしれません。そこで今回は、ネイティブの発音に近づけるよう、英語の発音を良くする4つのポイントを紹介します。「なぜ日本人が英語の発音を難しく感じるか」についても説明しますので、参考にしてみてください。

英語学習で「発音」が重要な理由とは?

そもそも発音は、なぜ重要なのでしょうか。それは、発音が「聞く」「話す」「読む」「書く」という英語の4技能の土台となるからです。発音の上達は、これら4つの能力向上に大きくかかわっています。

※4技能について詳しくは、「世界で通用する英語力を身につけるために!英語4技能について解説」をご覧ください。

(1)英語を正確に聞き取れるようになる(リスニング力向上)

「なんとなく英語のリスニングが苦手」という人もいるかもしれません。リスニングが難しいのは、聞き取れない「音」があるからです。人は自分の発音できない音を、「ノイズ」としてとらえてしまいます。つまり、正しい発音が身についていれば、それだけ聞き取れる音が増え、リスニングがスムーズになるということなのです。

≪一緒に読みたい記事≫英語のリスニング力を鍛える“5つ”の学習方法とは?

(2)自信を持って英語を話せるようになる(スピーキング力向上)

日本人の英語学習者のなかには、「英語を人前で話すのが恥ずかしい」と感じる人も多いです。それは、正しい発音が身についておらず、話し方がぎこちなくなってしまうからにほかなりません。ネイティブ話者と同じ発音ができるようになれば、自信を持って英語でコミュニケーションがとれるようになります。

また、日本人特有の「カタカナ英語」は英語話者にとって聞きづらく、相手にストレスを与えていることも少なくありません。会話が成り立っていたとしても、それは相手が脳内で正しい発音に置き換えて、意味をくみとってくれているからです。相手に負担をかけないように、正しい発音を身につけることが大切です。

≪一緒に読みたい記事≫英語のスピーキング力を上達させる“5つ”の方法!【独学の方必見】

(3)英文を読むスピードが上がる(リーディング力向上)

英文を読んでいて、なんとなく途中でつまってしまうことはありませんか。それは、発音のわからない単語に遭遇し、思考が止まっているからです。人は英文を黙読するときでも、頭の中ではきっちり「音読」しながら読んでいます。そこで発音がわからないと、どうしてもつまずいてしまうのです。正しい発音を身につければ、英語のリーディング力が上がり、読むスピードも格段に上がるでしょう。

(4)英作文がスムーズになる(ライティング力向上)

英語を読むときと同じように、書くときもまた、人は頭の中で発音しながら英文を組み立てます。しかし、発音のわからない単語は頭に浮かびにくいため、スムーズに英語の文章が組みあがりません。正しい発音で英単語を覚えておけば、英作文もスラスラと書けるようになるでしょう。

日本人が英語の発音を“難しい”と感じる理由とは?

それでは、なぜ日本人は英語の発音を難しいと感じるのでしょうか。
ここでは、大きく3つの理由を紹介します。

(1)日本語にはない音があるから

日本語と英語はまったく別の言語なので、母音・子音の発音もまったく別物です。なかには、日本語には存在しない音もあります。例えば、「r」や「w」です。「r」は、「right」のような単語に使われる子音で、日本語のように「ライト」とは発音しません。唇(くちびる)を突き出しつつ発音し、「ゥライト」のような音になります。こうしたなじみのない音を一から身につける必要があるため、初心者は発音が難しいと感じてしまうのです。

(2)単語の覚え方がスペル偏重だから

学生時代、単語のスペルを何度もノートに書いて暗記した人も多いかもしれません。日本の受験英語は「話すこと」よりも「書くこと」を重視している傾向があるため、そうなってもしかたがありません。しかし、英語はスペルと発音が一致しないことのほうが多いのです。そのため、発音記号を無視してスペルだけで覚えてしまうと、読み方がわからずとまどってしまいます。結果として、「英語の発音は難しい」という印象になってしまうのです。

(3)英語特有の法則を知らないから

英語の発音には、特有の法則があります。例えば、「アクセント」です。英語では、名詞や動詞など、文章において重要な意味を持つ言葉「内容語」を強く発音します。逆に接続詞や助動詞などの「機能語」は、弱く発音します。また、「リエゾン」というのも日本語ではあまり起こらない現象です。例えば、「I don’t know」であれば、「アイ・ドント・ノー」ではなく、「アロンノゥ」という発音に聞こえます。単語と単語が組み合わさることで、発音が変化するのです。こうした法則を知らないと、発音がうまく聞き取れず、難しく感じてしまうでしょう。

発音を良くするために意識すべき“4つ”のポイントとは?

英語の発音を改善するためには、なにを意識すればよいのでしょうか。実は、次に挙げる4つのポイントいずれかを意識すると、発音は大きく上達します。4つのポイントを、発音の例とともに紹介します。

(1)口の形

「口の開き方・形」を意識することで、発音しやすくなる音があります。例えば、以下のような発音記号です。

◆ [a] 例:car
指が2本分入るくらいに大きく口を開き、のどの奥のほうからあくびをするように「アー」と声を出します。

◆ [iː] 例:cheese
口を横に大きく開き、口角を上げて「イー」と声を出します。笑顔になるときの口の形をイメージします。

◆ [æ] 例:apple
まずニコッと微笑み、あごを引くように口を開けて発音します。口の形は指2本分入る逆三角形のイメージです。

(2)唇の形

「唇の形」を意識することで、発音がスムーズになる音があります。例えば、以下のような発音記号です。

◆ [r][uː] 例:run
唇をまるくしぼり、前に突き出します。日本語の「ウ」とは違って、唇が大きく前に出ているのがポイントです。

◆ [w] 例:what
唇を突き出してそらし、口の内側を緊張させるイメージです。これによって「こもった音」を発声できます。

◆ [f][v] 例:fish
上の歯を下唇の上に乗せ、下唇を巻き込むように発音します。歯と唇を使うことではじめて出せる音です。

(3)舌の位置と形

舌を口のどこに置くかをイメージすると、発音しやすくなる音があります。例えば、以下のような発音記号です。

◆ [l] 例:letter
舌先を補足して、上の歯の裏につけます。そこから舌で歯をはじくように、「レッ」と発音するイメージです。

◆ [th][θ][ ð] 例:this
舌をかみ、前に突き出して発音します。舌をかむ発音が日本語にはないので、最初は難しいかもしれません。

◆ [t][d][n] 例:not
舌先を細くして、上の歯茎につけます。そこから声帯を使わず、息だけで音を出していくイメージです。

(4)息の出し方

ほとんどの発音に共通するのが、息の出し方です。浅い呼吸の「胸式呼吸」でも通じる日本語と違い、英語は「腹式呼吸」で明瞭に発音しなければ伝わりません。自信を持って堂々と話すことも、発音上達の近道です。また、以下のように「はじく」「もれる」「鼻から抜く」などの息づかいにも気をつけると、より発音が良くなります。

◆ 例:top
舌を細くして、上の歯茎につけます。そこから、舌をはじきながら息を出すイメージです。

◆ 例:sea
歯や舌で気道を閉じ、お腹からもれるように息を出します。この「腹式呼吸」が、英語の大きな特徴です。

◆ 例:rain
舌先を細くして上の歯茎につけます。そこから鼻の奥の「鼻腔」から息を抜くように、「n」の音を響かせます。

発音を改善するための練習法とは?

最後に、発音をより良くするための練習方法について3つ紹介します。
独学でも練習可能な内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

(1)発音記号に沿って単語の発音練習

先ほど少しふれましたが、英語には発音の種類を示す「発音記号」があります。例えば、「æ」「ð」「uː」のように表記されます。単語帳を開けば、必ずといっていいほど発音記号が書いてあります。まずはこの発音記号について、それぞれの発声方法(口・唇・舌の形)を覚え、実際に発音して身につけましょう。その際、「au」と「ou」、「e」と「æ」など、似ている発音記号ごとの違いも意識すると、よりスムーズに覚えられます。

発音記号を覚えたら、実際に単語を読んで練習しましょう。その際、口・唇・舌の形が正しく身についているか、鏡を使って確認することが大切です。日本語では使わないような口の動きをするため、最初は口のまわりが筋肉痛になるかもしれません。ですが、くり返し発音することで、口の使い方にも慣れて正しい発音が身につきます。

(2)英文のリスニング

正しくできる発音が増えれば、それだけ聞き取れる音も増えていきます。続いては、ネイティブ話者の話している英文を、繰り返しリスニングするようにしましょう。その際、リエゾン(音の連結)やイントネーション(文末を上げる・下げるなどの抑揚)、アクセント(文章内・単語内の強く読む部分)などにも注意して聞くことが大切です。わからない音があれば、また発音記号に戻って復習することで、発音が確かなものになります。

(3)英文の発声練習(オーバーラッピング・リピーティング)

英文を聞きながら、それに合わせて自分でも発声すると、より確かな発音が身につきます。例えば、「オーバーラッピング」です。オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら、音源と同時に発声してみることをいいます。同じスピードで発声することで、英語特有のリズムやアクセントが自然と身につきます。

また、もうひとつは「リピーティング」です。リピーティングとは、ひとつの会話文やひとまとまりの文章を音源で聞き、一度音源を止めてスクリプトを見ながら音読することを指します。こちらも英語のリズムやアクセント、イントネーションなどをスムーズに習得でき、スピーキング力も向上させることが可能です。このように「聞く」→「話す」を繰り返すことで、ネイティブに近い発音を独学でも十分身につけることができるでしょう。

まとめ

英語の発音を矯正するには、まず英語と日本語の違いについて理解し、英文を何度も声に出して練習することが大切です。しかし、発音する際にどのように口を動かせばよいかわからない人も多いかもしれません。その際は、発音記号や口の筋肉の使い方からていねいに解説されている「参考書」・「単語帳」・「単語学習アプリ」の活用をおすすめします。プロの解説をもとに体系的に学習することで、より正しい発音を身につけられるでしょう。