1日30分から始めよう!英語を上達させるためのコツ

1日30分から始めよう!英語を上達させるためのコツ
「好きな映画を字幕なしで見たい」「海外の人と交流したい」「仕事や学習で必要」――英語を上達させたいと思う人の動機はそれぞれです。グローバル社会の進展のなかで、英語の重要性が高まっていることは間違いありません。今回は、1日30分から始める、英語を上達させるためのコツをお伝えします。
1日30分から!隙間時間で単語力アップ
難しい文法を知っていても、ボキャブラリーが少なければリスニングにも、リーディングにも、スピーキングにも対応できませんないからです。長文読解も英会話も、レベルアップのためには単語力の増強が基本です。
まずは1日30分間、通勤通学の合間や入浴中など隙間時間に単語学習に取り組んでみるとよいでしょう。ここで大切なのは、毎日繰り返して行うということ。人間の記憶には「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。短期記憶から長期記憶に移行させて着実にインプットするには、毎日繰り返して行う必要があります。何度も目にして発音したボキャブラリーやフレーズは、深く考えなくても自然に出てくるようになるでしょう。
さらに、「リテンション(保持・記憶)」も大切です。紙の上で必死に覚えた単語よりも、好きな映画や友達との会話で出てきた単語の方が覚えやすいことがあるでしょう。これは単語そのものだけでなく、会話の流れやその場面を通じて、単語を身につけたからです。五感を通じて覚えることで、長期記憶として定着しやすくなります。
※英語の単語学習については、「インプットだけでは「覚えた」とはいえない?英単語の覚え方にはアウトプットこそが大事」もあわせてご覧ください。
英語を上達させるためにすべきこと
単語を覚えるといっても、丸暗記では応用が利きません。英語は言語のひとつであり、表現として理解し、伝える力を鍛えることが大切です。続けて、英語を上達させるためのポイントをお伝えしましょう。
1. 文法や会話表現はパターンで覚える
頻出する文法や会話表現は、パターンで覚えてしまいましょう。特にビジネス英語は、日本語と同じように、ある程度言い回しが決まっています。ネイティブのEメールや言い回しをまねして、何度も書いたり、読んだりしてみましょう。発音練習のシャドーイングと同様に、お手本をまねすることで英文法や会話表現の「型」が身につきます。「ビジネス英語を使いこなすための効果的な勉強法とは」[i1] [TY2] もあわせてご覧ください。
英語学習法のひとつとして有効なのが、「音読」です。英文を実際に口に出して読み上げることで、英語の発音やリズム、文章の構造が理解しやすくなります。繰り返し読むことでよく出てくる文法や会話表現も把握しやすいでしょう。音読を取り入れながら、記憶の定着を目指しましょう。
2. 英語の発音をマスターする
英語を上達させるには、正しい発音を身につけることも重要です。発音がキレイだと、それだけで会話に自信が持てます。見過ごされがちですが、実は発音はスピーキングだけでなくリスニング力のアップにもつながります。これは、人間には自分の知っている「音」以外は認識できないという弱点があるためです。日本語と英語では必要とする「音」の数や種類が異なります。リスニング力を向上させるためにも英語の音を正しく認識する必要があります。
発音が良くなると英語のリズムもつかみやすくなり、リーディングのスピード向上という効果も期待できます。ネイティブの発音をまねする「シャドーイング」を英語学習に取り入れてみてください。英語の発音学習については、「英語の発音矯正はなぜ重要?上達するための方法やポイントを解説」[i3] [TY4] もあわせてご覧ください。
3. 英語を英語で理解する
英語と日本語は、文章の構造から異なります。これまで、学校での英語学習では、英文から正しい日本語訳をするように求められてきたかもしれません。しかし、「英語→日本語」「日本語→英語」という翻訳を続けていると、長文読解やスピーキングの妨げになります。「翻訳」というワンクッションをはさむことで、瞬発力が劣ってしまうからです。
英語に慣れてきたら、できるだけ英語を英語で理解するくせをつけましょう。単語学習の際に英日辞典だけでなく、英語で英語の単語の意味を説明した英英辞典を使うようにしたり、リーディング練習に文頭から読む「スラッシュリーディング」といった方法を取り入れたりすることをおすすめします。スラッシュリーディングは英語のかたまりごとにスラッシュ(/)で区切って読むというやり方ですが、区切ることで読みやすくなるだけでなく、初心者がやりがちな「返り読み」(英文を頭から読んだあとに、文章を行きつ戻りつしながら日本語訳すること)をしなくなるので、英語を英語として理解するという練習に役立ちます。
初心者が陥りがち!上達につながりにくい失敗ポイント
英語を上達させたいと思っていても、間違った方法で勉強していると成果が出にくくなってしまいます。以下に、初心者が陥りがちな失敗ポイントを紹介します。自分の状況を振り返り、勉強方法を見直してみましょう。
1. いきなりネイティブとフリートークする
テレビ番組などで、英語が苦手な人がいきなり海外に飛んで大成功……というシーンを見かけるかもしれません。オンライン英会話や英語カフェなどで、ネイティブとフリートークをして会話力を身につけようというプログラムもあります。しかし、こうした突発的なチャレンジは、必ずしも英語上達につながるわけではありません。
通常は単語、文法がわからないまま、誤った表現でフリートークをしても会話が続きません。また、そもそも理解できていないまま会話しても、正しい英語が身につくことはないでしょう。ネイティブの発音や会話を聞き流しているだけで英語力がつくわけではないため、いきなりネイティブとフリートークをして英語力を伸ばすというのは難しいと言えます。フリートークは楽しいかもしれませんが、単語や文法をきっちりと学習して基礎固めをする方が、英語の上達には近道となるはずです。
2. いきなり難しいことをやろうとする
英語に限らず語学はコツコツと地道に学ぶことが重要です。いきなり試験でハイスコアを取ろうといった高い目標を掲げても、結果が伴わず、早々にくじけることになりかねません。上達を目指して難しい問題集に取り組んでも、間違ったことにすら気づかないかもしれません。そもそも、自身のレベルがわかっていない可能性があるため、基礎から振り返り、苦手なポイントを把握することから始めることが大切です。
その際、自身の英語力の目安として、日本で最もメジャーな英語試験であるTOEICに挑戦するのもよいでしょう。初心者ならまず600点を目標とすることをおすすめします。
2021年1月10日に実施されたTOEIC試験の「平均スコア・スコア分布 詳細」によると、TOEICのリスニングセクションの平均スコアは334.6点、リーディングセクションは278.9点で、トータルの平均スコアは613.6点となっています。上場企業の社員やホテルの従業員など仕事で英語が求められる場合も、600点がひとつの目安となるようです。単語力という面でも、TOEICの600点では高校卒業レベルの4,000~5,000語が必要だといわれるので、まずはこのレベルを目指してみてはいかがでしょうか。
3. 目的なしにやみくもに勉強する
明確な目的もなく、ただ「英語ができるとかっこいいから」と漫然と勉強しても上達しません。スピーキングを鍛えようにも、誰とどんな話をするのかがイメージできなければ、何を勉強すればよいのかもわからないはずです。しっかりと目的を設定することで、モチベーションの維持にも役立ちます。例えば、「海外旅行に行きたい」「英語を使う仕事がしたい」など、なぜ英語を勉強するのか、なぜ上達したいのかを明確にしてみてください。目標を明確にしたうえで、ステップごとに小さなゴールを決めていくと、成果が感じられやすく、上達も早まります。
英語学習は日々の積み重ねが重要
英語に限らず語学はコツコツと行うことが大切です。まずは、英語力の基礎につながる語彙力を増やし、活用シーンをイメージしながら、よく使うフレーズを覚えていきましょう。単語学習やシャドーイング、リーディングなど、毎日繰り返すことで長期記憶として定着します。まずは1日30分からの英語学習で基礎力を強化し、日々の積み重ねによって生きた英語を身につけましょう。
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